過度に適度で遵当な

在日日本人

新歓

大学の新歓期には幽霊がうろついている。男の欲望という名の幽霊が。

共産党宣言の冒頭を真似しないまでも、文系大学新歓期において男たちがむき出しにする欲望は、マルクスが述べた資本家の欲望に限りなく近いものがある。自分の欲望に誠実すぎているのか、理知が束ねる学府に通っていることをもはや忘れてしまったかのごとく忠実です。一種の祭ととらえているのでしょうか。しかし一言で済まされないレベルの話を多々耳にすることもある。何が言いたいかというと、要するに昨今話題の某テニサー事件です。


男子大学生が新歓に連れ込んだ1年生の女子学生を集団で乱暴する、といえばすぐに思い浮かぶのはスーパーフリー事件でしょうが、みなさんもご存じのとおり、おおもとになったサークルは例の大学にあります。事件発覚後に取り潰しになったとは聞きますが、それ以外にも輪姦に励んでいたサークルで表ざたにならなかったものでは、いまだに存続しているのもあります。加えてあの大学では生協などの過激派左翼を追い出すほうに当時はリソースを注いでいたので、そういった側へはなかなか手が回らなかったのも現実としてあるのではないだろうか。そのツケをいま支払っているようです。しかしイメージしか戦略的な売り物がない大学ですから、志望校を決めるこの時期にやらかしたとなると、これからが大変でしょう。これからの大学の対応は見物必須です。

ところで、慶應大学医学部や東京大学へ進学しテニサーに加入している知人たちと時たまあうと、「このあいだは何人とヤったハメた」だの話題が際限となく出てくる。それを聞くたびにしかめ面にならざるを得ませんが、どこに行こうともこの手のサークルの一つや二つは必ず存在している。今更新歓アドバイスなどをのたまうわけではなく、あの手のサークルはなんとしても女の子を呼び込むべく様々な工夫をこらしているものです。それはまるで虫を狙うウツボカズラのごとく。そして嵌まれば最後。いただかれる運命が待っている。


確かにそういう行為に手を染めている男は厳しく断罪されてしかるべきです。まさに男の恥さらしである。だけれども、酷かもしれませんが、こういう現実があることを知ったうえで、自分自身を防衛することを女の側も頭に入れておかないといけないでしょう。全部が全部とはいえませんが、こういう痴的なことを考える男は自分の想像以上に生息していて、そいつらは徒党を組んでいる。どこであなたを狙っているかはわかりません。頼りになるのはあなたの勘のみです。心細くもなるでしょう。ではどこに行けばよいのか。性欲を柔軟?にあやつり、女性を見かけでもいいから尊重し、おとなしい男性がそこそこ集まっているサークル。そんなサークルはないものか。





と考えてみると実は女子大生からは圧倒的に不人気であるオタクサークルが実はいちばん安全という話になってしまいました。どうにも腑に落ちることのない、妙な話です。

野外

通っている大学の図書館にあるフリースペースで美術研究会が展示を行っていた。

このスペースはお手洗いのわきにあるから、利用したときには展示イベントへとついつい目が行ってしまう。どうやら現代美術の展覧会のようで、それにあまり詳しくはない人間だと見ていてもさっぱりだった。残念なことにゲージュツには縁がなく生きてきたわけで、それを読み込める文法は持ち合わせていない。結局そういうところから“格”が読み取れてしまうわけですね。

 

ところが、それ以上に気になったのは20分ほど真剣に覗いていて、来る学生が皆無だったこと。もしかしたらここに自分が水のみ鳥をイタズラに置いていったとしても、それがイタズラだと気づかれるのは最終日に主催者がチェックしたときまでないかもしれない。それほどまでに人気がなかった。展示ってなんなんだ。

 

主催者の趣旨を記したカードがあった。それによると「このキャンパスはキャンパスらしさにかけています。人間の息遣いもあまりありません。それは芸術味が薄いから。それをすこしでもなくそうと思い実行しました」とある。高説はごもっとも。

確かにこのキャンパスは、人間の息遣いもあるけれども、全体的に無味乾燥としている。そのうえ周辺に学生街が存在していない、住宅街にある異空間なので、大学街としての面白味も皆無。たとえば東京大学や京都大学を思い浮かべると、本郷、湯島、春日、上野公園、百万遍、下賀茂、出町、と大学周辺の町並みはそれだけで4年間を過ごしたくなるほど魅力にあふれている。そういう観点から考えると、この大学のこのキャンパスにはなんら魅力はないといっても語弊はありません。

 

そうは言っても、このキャンパスに魅力がないのは、そういう芸術味の問題ではなく、ともかくキャンパスを自身で象徴できるものがないからなのではありませんか。キャンパスのど真ん中で場当たり的に芸術作品が置かれていたとしても、それは単なる異物としか思えない。確かにこのコンクリート漬けの工業的なキャンパスに、有機的なものを置くことに価値はある。それだけで癒されるのかもしれません。最初のうちは。そのうち視界に入らなくなり、気が付いたら意味をなさなくなっている。それに、大学が大学たらしめる象徴が抜け落ちているのだとしたら、必要なのは、背景を同じくしないすべての人間が見て心のどこかしらで感慨を抱くものです。東京大学でいえば安田講堂、京都大学で言えば時計台など、あからさまな建物やモノが優れているのではないか。一般化されていない現代芸術は…、いまの段階では不適としか言えない。ゲージュツ作品が置かれているファーレ立川もしばらくしてから見てみるとどうにも陳腐化してしまったのは否めないし、立川を象徴しているのは北口の高架歩道とアーチに多摩モノレール、とつまりデカい建物でしょう。芸術は決して求められてはいない。迫力こそ真髄なり?

 

とはいえ建築学的な、社会学的な、心理学的な、そのほか効果論的なことを一切いうつもりではなかったのですが、どうも腑に落ちない気持ちが残ったわけです。

 

 

と思って感想用紙を認めてお便り箱に入れたところ、30分後にこの次が入っていたので、どうやら観覧する人間は少なくなかったようでした。ごめんなさいを言わないとなりません。

サークル紹介

サークル「いすかんでやる」で販売している同人誌の在庫に関する情報です。
このページは仮であり、必要最低限の情報のみ掲載しております。

【活動方針】
サークル「いすかんでやる」は、
・「アニメ劇伴音楽」分野
・「人間の営みと音」分野
・「住宅団地と人間」分野
の3つの柱を軸として活動しております。
これらの活動報告として、同人誌や活動報告書の発行を行っております。
以下に同人誌情報を掲載しております。ご参照下さい。

【参加即売会】
2014年12月30日 第87回コミックマーケット
2015年8月14日 第88回コミックマーケット
2015年9月27日 僕らのラブライブ!9
2015年12月30日 第89回コミックマーケット


同人誌情報
【音楽系】
「宇宙戦艦ヤマトの音楽が作る世界'74~'77」¥500/B5/オフセット 完売・在庫なし
「Music Docments ; Series of 2199 宇宙戦艦ヤマト2199の音楽 地球からイスカンダルへ」¥500/B5/オンデマンド 完売・在庫なし

【団地系】
「矢澤×団地 矢澤にこと団地の本 vol.1」¥500/B5/フルカラー/オフセット 完売・在庫なし
「矢澤×団地(矢澤は、西へ) 矢澤にこと団地の本 vol.2」¥1,500(仮)/B5/オフセット 2016年9月発行予定

【街の音系】
「パンザマストハンドブック 東京都編」¥500/B5/オフセット 2016年5月発行予定
「東京メトロのサイン音 25年史」¥500/B5/オフセット 完売・在庫なし

【活動報告】
2015年下半期活動報告書 ¥100/B5/コピー 在庫なし

【更新記録】
2016年
2月7日 ページ作成


【凡例】
文字色:在庫ないし発行情報