過度に適度で遵当な

在日日本人

前回の続き

前回の記事で地域防災行政無線を利用した、正時のチャイムについて分類を試み、それらで用いられている原盤発掘について紹介いたしました。
それからしばらくし、いくらか原盤を探し当てた自治体があり、以下に紹介いたします。
・東京都足立区
 …「夕やけこやけ」
  編曲 南安雄
  演奏 ストリングス・エマノン(NO NAME)
・東京都葛飾区
 …「夕やけこやけ」
  編曲 若松正司
  歌唱 山野さとこ&森の木児童合唱団
  演奏 コロムビア・オーケストラ
・東京都大田区
 …「夕やけ小やけ」
  編曲 矢代秋雄
  指揮 ジャン=フランソワ・パイヤール
・愛知県蟹江町
 …編曲 高原いづみ
  
のそれぞれです。

東京都葛飾区の音源は日本コロムビアから出版されている童謡オムニバスCDから作成されており、探し出すのは容易でした*1。買わずとも自分のCDラックにそれを収録したメディアがあり、非常に美味です。楽々原盤旅行。
くわえて足立区の夕焼け放送について掘っていったら、曲間のアナウンサーについて取り上げている記事に出会いました
*2。先の脚注によれば堀江慶子さんという方で、1991年ごろから現在の放送と同じものを使用しているようです。現在入手できるCDはどれもそれ以降にプレスされたものですので、足立区の夕焼け放送は、それ以前のレコードあるいはテープから起こしたものなのでしょう。埼玉県で幸手市や新座市の定時放送でアナウンサーを務めている女性は誰なんだろう…、と、調査欲が上がってきました。ひと段落ついたら調べてみたいですね。

さて、こうした調査は悉皆調査にならざるを得ません。対手がわからない以上は目星をつけることがどうしても難しいからです。手軽にできる発掘として、試聴機能のある通販サイトやitunes、Google Musicなどをアーカイブとして活用してきました。愛知県蟹江町の原盤もたまたまitunes上で発見したもので、現代のネットワーク上に形成されたクラウド的機能に驚嘆しています。しかし、それではitunesやGoogle Music等にライブラリを登録している曲以外は探すことはできません。では、どうするか。
そこで、公立図書館所蔵のメディア*3を利用しました。とりわけ国会図書館はご存じのように、日本のすべての出版物収集を理念としており、それはこうした音楽メディアも例外ではありません。漏れは否めないものの、試聴不可能のメディアを可能な限りリスト化を試み、国立国会図書館や都立図書館などの大規模公立図書館で収蔵されているものや、各都道府県図書館横断検索機能から該当盤をしらみつぶしに探し、確認してきました。
しかし、残念なことに、上記以上のものはなかなか出てきません。現状では原盤発掘自体は頭打ちになっています。埼玉県鶴ヶ島市などは海外オケのメディアも含めて発掘しており*4、ここから先は少々時間がかかりそうです。

もう1つ、新座市あるいは鴻巣市などで使われている瀟洒楽曲については、編曲者および出版元の調査が完了しました。業務用の市販されていないものであり、今後接触を図っていきたいのですが、個人での入手は少し難しいかもしれません。

進捗がありしだい、報告をさせていただきます。

*1:日本コロムビアのCDから童謡オムニバスを適当に見繕えばよい話ですから…

*2:「慶子の時間」ですよ=微笑が魅力のプロアナウンサー(上)|穂高健一ワールド~書斎の小説家が街に飛び出した、気鋭のジャーナリストとして http://www.hodaka-kenich.com/Journalist/2014/06/11211144.php

*3:CDやレコード、テープを含めて

*4:チェコの放送管弦楽団かなと思ったらことなり、国産でもいろいろ手を付けていますが、残念ながら見つかっていません。オケの演奏会ではフルート強調は弦を殺すのであまり好まれていないこともあり、レーベルお抱えの楽団が演奏したインスト曲かなあ、と検討はしています。ビクター系列ではなかったし…。