過度に適度で遵当な

在日日本人

同人誌を書いてみて

・結論
同人誌を書いて反省していたら、自分の弱点が見えました*1

・目的
自己のふりかえりと同人誌の宣伝

・今後の課題
趣味空間における活動の立ち位置の自覚


さて、私は高校にいた頃からいわゆる「同人誌」を書いておりました。とはいえサークルには属さず、自分ひとりで書き散らすスタイルを貫いているので、一般的な原義の「同人」ではありません。しかし、自分の趣味に関する自費出版で、かつ公開の書籍市場に流通させていない場合なら、コミュニティによっては「同人誌」と呼称することがあるので、今回はそのように呼びます。
どのような「同人誌」を書いているか。まず、小学生より続けていた日本の廃墟や多摩の戦争遺跡訪問体験記等を高校生の頃は主に書いていました。その後、学部進学後はアニメBGMに関するもの、アニメ舞台設計に関する訪問記録に手を付け、現在はそれらの続編と、規範とそのトリガーとなりうる音楽に関した論評を書き散らす準備を重ねています。本分はどうしたんだろう。

そのどれもが、自分の趣味対象の調査という手法をとり、東京という都市が積み重ねてきた歴史や、経験から生み出してきたカルチャアを記述することを目的としてきました。高校生の頃は書かずとも察するかたも多いでしょう。廃墟は産業構造や交通流路の変化から放棄された人里であり、戦後日本の歴史のひとこまを保存した場所であると言えます。アニメBGMであれば、アニメ産業の利潤最大化の中でアニメBGMの販売という手法が取られ、それは、東京に本社を構える資本の営業努力の結果であった。しかし、それはあくまで新しい手法ではなく、すでに映画産業では当時から一般的に取られている方法であったこと。現在手をつけていることは、都市問題の解決のためにあるカテゴリの音楽が考案され、官と民の手で徐々に日本全国と波及していった、という経緯を行政資料やメディア資料、関係者証言から追っていくこと。など。

そして、それらを読み返しても、「肝心の主張」は意図してぼやかしている、あるいは読み返しても伝わりにくいものがほとんどであること。

なぜでしょうか。筆記録を残していないので、記憶を頼りにそれらの制作状況を振り返ります。
すると、「藪をつついて蛇を出したくない」とのフレーズが頭を走り回りました。
一般的な用法とは異なり、おそらく、面倒からなるべく離れていたい、という願望です。
それをこの活動にあてはめて考えてみましょう。

主張するには責任を取る必要がある。それは、なぜこの対象を選んだのか*2、主張する意図や目的と選択対象は適切であったのか、この結論は妥当であるのか、それらにたいし、丹念に答える必要がある。それが果たすべき責任です。
しかし、それらを明示していない。後付の考えであったという可能性を考慮しても、先にも言ったように、それを意図してぼやかしているようにすら思える。面倒なことはなるべく抑えたい。


あ、これおれの人生じゃん。

うわ。

やっべえな。



こうした活動を経時的に追った結論と、心性を直結するのは飛躍があるかもしれません。
しかし、どうにも、いろいろなところで当てはまる。行動原理に近いところがある。
考えまい考えまいとしてきたことなんですが、どうもわかってしまったようです。
なるべくタイムスパンを長く取ったことで、こうした態度が可視化されたのでしょう。
自分の活動を振り返る機会を今まで設けずに来たのですが、ある程度客観視できる機会となった。
とてもよかった。

こうしたことで課題が浮き彫りになりました。
これをふまえ、今後の自分の活動を再構築していくことにつなげていかないと。
もちろん、これは趣味活動に限りません。


さて、今後の趣味活動の方策はある程度ですが固まっています。
それと同時に、過去作をリバイバルあるいはブラッシュアップし、もう一度上記の理念のもと立ち位置を捉えなおすこともしないとならないかも、です。しかし、保存していたPCがクラッシュしてデータが消えたいま、当時のものを復刷するのはかなり困難です。あくまで心構えとして認識する、くらいが現実的なのかもしれません*3
ただ、こうして書いてしまった以上、現在進めている「街頭時報」はその課題をなるべくクリアにして進めていかないとなりません。もちろん、がちがちに考えず、一般的に「好きだから~Aする」という心構えでも善いのでしょう。ですが、そうであっても小学生の時より持ってきたマインドは大事にしたい。その延長線上にある活動であると忘れたくはない。*4
最後に少しだけ触れると、根源的な問題として、趣味活動はあくまで本業と余暇の軸に展開していくものでもあり、肩の力を抜く機会でもある。余暇活動にそうした徹底を求めることの是非、これに対する検討を引き続き行っていくことも今後の課題です。

その辺のバランスを取りつつ、自分の趣味スタイルを模索していく。
趣味をせんと生まれけん。やっていきましょう。

*1:別に特有ということではなく、継続的にある経験をしていれば、そこから反省は得られるということです。

*2:それは、なぜ「趣味の自費出版という手段を選んだのか」というプリミティブなとこから始まります

*3:面倒だから、じゃないですよ。

*4:そういうことがしたければ、そうするためのフィールドがあるわけです。