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ラブライブ!東京ドーム公演の決まった過程を推察してみる

※読了までに約10分要します
【概要】
本投稿では、ラブライブ!東京ドーム公演が決定した過程について考察を行った。
テレビアニメ放映告知に関する時期や、ライブの動員数から、
・劇場版の結末:2013年11月末辺りに決定
・ドームの予約:仮予約が2015年2月ごろ、本予約が2015年11月頃
との結論を得た。
また、16時開演は、21時30分までしか公演のできない東京ドーム側の事情があると推察できる。
前回ですら4時間30分行っているが、それ以上に曲や演目が増えている。
今回は、開演可能な5時間30分フルに使い、16時から21時30分まで行われると考えられる。



昨年(2015年)12月5日に東京MXテレビ「ラブライブ特番 μ’sこれまでとこれから」でμ'sの東京ドーム公演「FINAL LOVE LIVE μ'sic forever」が発表されました。この「FINAL」「forever」という名もあいまって、また、それを助長するスポーツ紙やバイラルメディアの記事*1*2もあり、2010年代前半のアニメコンテンツ産業の屋台骨を支えてきた作品の終焉、との印象を抱いた方も多くいらっしゃるかもしれません。加えて、先行して2015年6月に封切られた「ラブライブ! the school idle movie」も「9人がアキバドームで解散ライブをする」という結末で締められており、現実とアニメの設定が同様の道筋をたどったことも、その傾向をさらに加速させた、と述べる媒体も多々あります。アニメと担当声優ユニットのフュージョンがコンテンツの中核にすえられていたこともあり、これもある意味既定路線として捉えられていた、劇場版公開後のTwitterにおいてそのような感想もちらほらとあがっていました。それをネタとした「釣り」もあったこと、これを覚えておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして、その「釣り」がまとめブログに取り上げられた。*3 それだけ、この「ラブライブ!×東京ドーム公演」はアクセスを稼ぎやすい、注目や関心が広まり、情報が求められていたものであった、ということを裏付けていると考えられます。その後、大方の予想通りに「6th」は東京ドームでの開催が告知されます。

さて、東京ドームで公演をするとなると、相当前から企画立案を行わなければなりません。プロジェクトとして進行するためには、ちかごろ「セトリ」と呼ばれることもあるライブ本編の構成のみならず、舞台設営とそれに関する関連会社、物販やそれに関した関連会社との折衝、会場管理法人や警備会社、管轄警察署との折衝、それら全て解消したうえで最終的な立案をしている必要があります。言わずもがなですが、ラブライブ!のコンテンツはあくまで営利事業です。確実な黒字が予想できなければ、担当者の裁可はまず得られないでしょうし、諸経費をすべて入場料および物販の売り上げでまかなえるほどの利益が出ることを盛り込んでいなければなりません。
また東京ドーム側の問題もあります。東京ドーム単体のレンタル料やその他経費をまかなえる法人や団体である*4こと、そして開催する団体に、法人としての東京ドームが認定した「一定以上の実績」の備わっていなければならない“そうです”。*5この「一定以上の実績」がどういうものであるのか。これがなかなかくせ者なのですが、今回は置いておきます。これをコンテンツとしての「ラブライブ!」で敷衍してみましょう。
コンテンツ実績*6
【アニメ実績】
劇場アニメーション初登場観客動員数第一位*7
【公演実績】
2014年・2015年と2年連続でさいたまスーパーアリーナで開催*8
2015年12月31日紅白歌合戦出場*9
【一般層(非興味対象)向け】
NHK紅白歌合戦出場*10

東京ドームがどのような評価基準を置いているかはさておき、ここまでの実績があれば貸し出さないわけにはいきません。公演実績にかんがみても、1日のみ開催の場合の東京ドームにおける入場者数限界は55000人*11ですから、これは充分埋めることができます。この実績だけでも、2日の11万人動員でも埋まる可能性は充分にあります。要はどのようなグループないし個人であっても、それが東京ドームの考えている・自負している「日本の歌手系アーティストの目指すべき最高峰」というブランドを崩さなければよい。

とすれば、東京ドームが貸し出さない理由はないわけです。

混雑に関しての問題となると、嵐が6月に行う「ワクワク学校」や12月に行われる年末公演などは、前日から始まるプレ物販でさえ東京ドームシティを一週させたことすらありますから、これは東京ドームと物販・警備会社ともにノウハウがあります。そのうえ、「過激派ラブライバー」に関して、いままでの公演で大きな騒ぎを起こした、という情報は出ていないわけです。暑くて感情を爆発させる、ということはあれども、寒くて感情爆発、これはあまり聞いたことがないがないですね。*12

ここまで歌手系アーティスト公演と東京ドームの関係について簡潔ながら記述していきました。今回の記事のタイトルは「決定した過程」ということですから、これを推察することが最終目標です。ラブライブ!アニメシリーズにおいてそれがいつになるのでしょうか。

ここでキーになってくるのは、2014年3月より放映された第二期とその後2014年6月ないし7月に発表された「完全新作劇場版」*13の制作日程です。
第二期最終話の結末は、その後の劇場版のはじまりとリンクしているものでした。テレビアニメの制作環境においてどのような意思決定のもと、最終稿までの道筋が下されたかはわかりませんが、全13話のプロットを作らずに絵コンテ制作に入るとはなかなか考えられません。労働管理としてもかなりリスキーです。とすると、第二期最終回で劇場版制作発表が行われていることにかんがみても、第二期と劇場版は連続した制作決定が下されていると考えてしかるべきです。
では、第一期制作発表から、劇場版制作発表までを時系列順に追ってみます。
図1
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少々見にくい図となっていますが、第二期制作発表から第二期放送開始告知まで時間がかかっていることがわかります。その間約8ヶ月。いっぽう、第二期放送発表から完全新作劇場版制作発表までわずか4ヶ月、第二期の終了とあわせた発表です。先ほどの推論がそれほどまでまちがっていないことをある程度裏付けできるかもしれません。とすれば、第二期のプロットができあがったのとほぼ同時に劇場版の結末(=アキバドームエンド)がしあがっていたと考えられます。もちろん細かな変更などはあるでしょう*14。また、第一期終了からしばらく時間の経っています。第一期をそのまま接続させた第二期ではなく、第一期を土台とした第二期と、そのための時間であったとも。さて、これらの動きとμ'sの人気を現すと考えられる指数を連動させてみます。
図2
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CDやBlu-rayの総売上も考えましたが、ある一定の期間における人気を反映している数量的データは、やはり公演の入場者数がもっともふさわしい指標になりえます。CDやBlu-rayは購入者によって数が容易に変動しますから、実人数を把握する*15のであれば、こちらが妥当です。横軸が時系列、縦軸が入場者数(単位は人)です。とはいえ総入場者数はわかりませんので、チケットが完売(=満員)であったと仮定します。グラフ線の丸が公演、横軸にある灰色の丸がアニメの動向に関する情報の発表をあらわしています。ここで目をひくのが2013年中頃から2014年1月にかけての大幅な伸びです。その伸びはおよそ10倍にもなります。それ以前のゆるやかな伸びとは異なる、かなり急激な変化です。この間はアニメ第二期の制作発表から放映開始発表とちょうど被ります。急速な伸びは関連商品の売り上げを含めてラブライブ!制作委員会内でその情報は共有しているでしょうから、おそらく、第二期および劇場版のプロットが確定し、6thの行程がおぼろげながら範疇に入ってきたのは、4thの申し込みが終了してからしばらくであると考えられます。となると、第二期および劇場版の落としどころに決着がついたのは2013年11月末あたりでしょうか。

しかし、これはあくまでも制作委員会の内部でのやりとりおよびアニメでの「東京ドームエンド」です。実際の東京ドームがいつ借りられたかはさらに論を進める必要があります。

6thの公演は3月31日と4月1日、と年度をまたぐかなり徳井な日程で公演が行われることになっています。またこの後、4月9日と10日に東京ドームで水樹奈々の公演が入っており、「水樹奈々が先約を入れていたため、μ'sが日程を抑えられなかった」という言説もいちぶでは見られました。しかし、今回の6thは5thで既に「NEXT WINTER」と予告されており*16、4月をWINTERとするのは、多くの人の見識に照らし合わせてもムリがあるのではないでしょうか。また、3月中の東京ドーム日程を見てみると、3月上旬、公演やオープン戦に関する日程は入っていません。*17
図3:東京ドーム2016年4月上旬日程
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図4:東京ドーム2016年3月上旬日程
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特に3月はがらあきです。通常であればジャニーズや韓流ユニットの公演、ないしイベントが入っているはずの時期です。東京ドームシティの公式サイトでは、過去に公演を行ったアーティストの一覧とその日程を1988年からすべて確認することが出来ます*18。これによれば、3月の上旬から中旬にかけて毎年のように公演が行われていることがおわかりいただけます。となると、オープン戦はともかく、2016年の1月において、2016年3月上旬の公演の発表がどこからも入ってきていないというのは不自然な状態です*19。また、前回の5thが、SSAでの4th第二日目終了時に具体的な日程と会場が公式発表されていた*20一方、5thにおける6thの発表は、日程や会場の告知はなく、「ビッグになって」「NEXT WINTER」など抽象的な時期の説明だけでした。ここで考えられるのは「5thの時点で具体的な日程はまだ決まっていなかった。」ということです。とすると、3月上旬に東京ドームにて他のユニットやグループによる公演の入っていない理由が、少し見えてくるかもしれません。

ここで、図4をもう一度ご覧いただきます。
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本来であれば数回の東京ドーム公演かオープン戦が入っているはずの予定が今年はがらあき。公演でなくともジャニーズが総出で運動会イベントを行うなど、年始の「ふるさと祭」や「キルト展」などの展覧会が終了した後に、プロ野球開幕までのすき間をぬって公演が行われるのが常です。また、東京ドームは野球を除き、1年前までに仮予約、本予約は日程の半年前に決まると言われています。そこで、「先に3月上旬の5日6日ないし12日13日の土日をラブライブ!制作委員会が仮予約していた」という考えを挿入してみます。3月上旬であれば「Next Winter」も充分に満たす日程になります。実際寒い。ですから、制作委員会側は2015年上半期に3月上旬を「仮予約」していたが、日本ハムファイターズの球場変更移動*21を見て*22、2015年11月上旬に3月31日と4月1日の日程で本予約をした、と論を進めるのはさほど不自然ではありません。ですから、抽象的な文言でしか6thの開催日程を表せなかったわけです。とすれば、5thで次回の具体的な日程が告知されなかったこと、3月上旬に現時点でほとんど公演の予定が入っていないのも得心がいきます。μ'sの公演がどちらかの土日にあり、直前の移動であったわけですから。そして公演4ヶ月前、12月に日程発表が行われたのも納得がいきます。交渉及び本予約がぎりぎりまで妥結していなかった、とも考えられるわけです。交渉が始まったのは5thの前後、2015年2月あたり、現実の東京ドームが日程として確定したのは2015年の11月中旬頃であると考えられる、と結論づけます。
この時期であれば、すでに5thの入場者数と物販の総売上も計上されていたでしょうから、東京ドーム側に具体的な収益とロイヤリティ額の提示ができるわけです。ただし、この論が妥当だとしても、当初からどちらを希望していたのかどうかはわかりません。論を導くためにはあまりに情報が少なく、そして曖昧です。ですが、仮にこの論が適切であるのならば、土曜日および日曜日、興業として安定した集客が見込める日程を放棄してまで、この特殊な日程を確保したのにはいかようにも理由が考えられます。つまり、この日程に意味がある。何度も言われているように3月31日は年度末、学齢であれば所属する学校の変わる日、つまり卒業の日です。そして、劇場版ではμ'sの解散、すなわち卒業が描かれた。そして4月1日は新学期、新しい年度の始まる日です。これはもう論を俟ちません。

<2016年2月21日挿入>
こちらのニュースリリースを見落としておりました。斜線部は取り消します。後日、論の再考を行います。

開業以来初!東京ドーム大規模リニューアル計画~唯一無二の快適なスタジアムを目指して~http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS01950/7102cf56/67e4/41ff/8cb5/219273fbb39f/20160119153619155s.pdf


はてさて、今回の結論は非常に限られた情報でのみ推察したものです。仮定と仮定の積み重ねですので、実際の制作現場でくだされた意思決定とはかけ離れた論を決した可能性は充分あります。またまだまだ論がごちゃごちゃしているところも残っています。ゆえにこの結論の妥当性については保障しかねます。しかしいろいろと想像するのは良い暇つぶしになりました。いつかこの「答え合わせ」をやってみたい。


余談ですが、東京ドームは区との協定があり、公演は21時30分までしか行えません。周囲の住民への配慮です。前回の5thは18時開始で22時30分終了の4時間30分。それから曲目も増えています。16時開演、これは協定時限の21時30分ぎりぎり、5時間ないし5時間30分行うということなのかなあ。

*1:「μ’s」解散正式発表 来春東京ドームでファイナル公演

*2:ラブライブ『μ’s』、来年春に解散か 東京ドームにてファイナルライブを公演 : アニはつ -アニメ発信場-

*3:「ラブライブ!6thライブ」東京ドーム公演決定!!!!! というデマが拡散される : はちま起稿

*4:株式会社東京ドームへ支払う物販のロイヤリティなども含んだすべての経費です。交通の極めて便利な東京のど真ん中ということもあり、場所代は相当高くつきます。

*5:これを明文化した新聞記事を以前に読んだことがあるのですが、探したところ見つからず。現在も捜索中です。ご存じの方がいらしたらお教え下さい。

*6:代表的なもの、ないし明確に数字を出せるものを記載

*7:人気女優を揃えた「海街diary」を抑え、初登場土日動員25万1811人 【最速】6/13~6/14の映画興行収入ランキングTOP25!初登場1位「ラブライブ!The School Idol Movie」2位「海街diary」ほか | ENJOY CINEMA

*8:37000人/日×2日/年=のべ計74000人/年の動員

*9:出場内定と報道は11月末ですが、出場打診自体はそれ以前と思われます。が、とはいえ、あくまでもこれは人気や知名度をあらわす目安としてお考えください。

*10:9に同じ。

*11:特殊例としては2015年のNEWSがあります。 NEWS10周年公演に6万5千人が熱狂 増田貴久、念願の東京ドーム公演に感涙 | テレビファン・ウェブ もし仮に、構造がNEWSのように中央で小型のステージを確保するものでしたら、無論、55000人より入場者数は増えます。

*12:もっともラブライバーよりも手強い生き物である「女子高生」や「オバサン」が殺到するジャニーズのコンサートに比べれば、そういう意味(どういう意味?)でのおとなしさはありそうですし、寒いとご本尊が縮こまっているわけですから、男のパワーはあまり出そうにもないですし。

*13:

*14:京極監督は「当初劇場版の楽曲は作中で3曲の予定だったが6曲に増えた」とのべています。

*15:もちろん応募倍率などを加味する必要はあります。

*16:

*17:2016年1月22日確認

*18:東京ドームシティ|イベント|東京ドーム公演アーティスト一覧

*19:もちろんジャニーズの嵐など、20万人を一度に動員出来るような超人気グループでは、2014年の「ワクワク学校」開催発表が1ヶ月前であった、などの事例はあるにはあります。

*20:

*21:ニュース | 2016/4/1(金)福岡ソフトバンクホークス戦 開催球場を静岡県草薙総合運動場野球場に変更 | 北海道日本ハムファイターズ

*22:日ハム移動が先行し、制作委員会がそれを後追いしたか、それとも因果が逆かどうかはわかりません。