過度に適度で遵当な

在日日本人

ラブライブ!東京ドーム公演の決まった過程を推察してみる

※読了までに約10分要します
【概要】
本投稿では、ラブライブ!東京ドーム公演が決定した過程について考察を行った。
テレビアニメ放映告知に関する時期や、ライブの動員数から、
・劇場版の結末:2013年11月末辺りに決定
・ドームの予約:仮予約が2015年2月ごろ、本予約が2015年11月頃
との結論を得た。
また、16時開演は、21時30分までしか公演のできない東京ドーム側の事情があると推察できる。
前回ですら4時間30分行っているが、それ以上に曲や演目が増えている。
今回は、開演可能な5時間30分フルに使い、16時から21時30分まで行われると考えられる。



昨年(2015年)12月5日に東京MXテレビ「ラブライブ特番 μ’sこれまでとこれから」でμ'sの東京ドーム公演「FINAL LOVE LIVE μ'sic forever」が発表されました。この「FINAL」「forever」という名もあいまって、また、それを助長するスポーツ紙やバイラルメディアの記事*1*2もあり、2010年代前半のアニメコンテンツ産業の屋台骨を支えてきた作品の終焉、との印象を抱いた方も多くいらっしゃるかもしれません。加えて、先行して2015年6月に封切られた「ラブライブ! the school idle movie」も「9人がアキバドームで解散ライブをする」という結末で締められており、現実とアニメの設定が同様の道筋をたどったことも、その傾向をさらに加速させた、と述べる媒体も多々あります。アニメと担当声優ユニットのフュージョンがコンテンツの中核にすえられていたこともあり、これもある意味既定路線として捉えられていた、劇場版公開後のTwitterにおいてそのような感想もちらほらとあがっていました。それをネタとした「釣り」もあったこと、これを覚えておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして、その「釣り」がまとめブログに取り上げられた。*3 それだけ、この「ラブライブ!×東京ドーム公演」はアクセスを稼ぎやすい、注目や関心が広まり、情報が求められていたものであった、ということを裏付けていると考えられます。その後、大方の予想通りに「6th」は東京ドームでの開催が告知されます。

さて、東京ドームで公演をするとなると、相当前から企画立案を行わなければなりません。プロジェクトとして進行するためには、ちかごろ「セトリ」と呼ばれることもあるライブ本編の構成のみならず、舞台設営とそれに関する関連会社、物販やそれに関した関連会社との折衝、会場管理法人や警備会社、管轄警察署との折衝、それら全て解消したうえで最終的な立案をしている必要があります。言わずもがなですが、ラブライブ!のコンテンツはあくまで営利事業です。確実な黒字が予想できなければ、担当者の裁可はまず得られないでしょうし、諸経費をすべて入場料および物販の売り上げでまかなえるほどの利益が出ることを盛り込んでいなければなりません。
また東京ドーム側の問題もあります。東京ドーム単体のレンタル料やその他経費をまかなえる法人や団体である*4こと、そして開催する団体に、法人としての東京ドームが認定した「一定以上の実績」の備わっていなければならない“そうです”。*5この「一定以上の実績」がどういうものであるのか。これがなかなかくせ者なのですが、今回は置いておきます。これをコンテンツとしての「ラブライブ!」で敷衍してみましょう。
コンテンツ実績*6
【アニメ実績】
劇場アニメーション初登場観客動員数第一位*7
【公演実績】
2014年・2015年と2年連続でさいたまスーパーアリーナで開催*8
2015年12月31日紅白歌合戦出場*9
【一般層(非興味対象)向け】
NHK紅白歌合戦出場*10

東京ドームがどのような評価基準を置いているかはさておき、ここまでの実績があれば貸し出さないわけにはいきません。公演実績にかんがみても、1日のみ開催の場合の東京ドームにおける入場者数限界は55000人*11ですから、これは充分埋めることができます。この実績だけでも、2日の11万人動員でも埋まる可能性は充分にあります。要はどのようなグループないし個人であっても、それが東京ドームの考えている・自負している「日本の歌手系アーティストの目指すべき最高峰」というブランドを崩さなければよい。

とすれば、東京ドームが貸し出さない理由はないわけです。

混雑に関しての問題となると、嵐が6月に行う「ワクワク学校」や12月に行われる年末公演などは、前日から始まるプレ物販でさえ東京ドームシティを一週させたことすらありますから、これは東京ドームと物販・警備会社ともにノウハウがあります。そのうえ、「過激派ラブライバー」に関して、いままでの公演で大きな騒ぎを起こした、という情報は出ていないわけです。暑くて感情を爆発させる、ということはあれども、寒くて感情爆発、これはあまり聞いたことがないがないですね。*12

ここまで歌手系アーティスト公演と東京ドームの関係について簡潔ながら記述していきました。今回の記事のタイトルは「決定した過程」ということですから、これを推察することが最終目標です。ラブライブ!アニメシリーズにおいてそれがいつになるのでしょうか。

ここでキーになってくるのは、2014年3月より放映された第二期とその後2014年6月ないし7月に発表された「完全新作劇場版」*13の制作日程です。
第二期最終話の結末は、その後の劇場版のはじまりとリンクしているものでした。テレビアニメの制作環境においてどのような意思決定のもと、最終稿までの道筋が下されたかはわかりませんが、全13話のプロットを作らずに絵コンテ制作に入るとはなかなか考えられません。労働管理としてもかなりリスキーです。とすると、第二期最終回で劇場版制作発表が行われていることにかんがみても、第二期と劇場版は連続した制作決定が下されていると考えてしかるべきです。
では、第一期制作発表から、劇場版制作発表までを時系列順に追ってみます。
図1
f:id:aqbar:20160124015423p:plain
少々見にくい図となっていますが、第二期制作発表から第二期放送開始告知まで時間がかかっていることがわかります。その間約8ヶ月。いっぽう、第二期放送発表から完全新作劇場版制作発表までわずか4ヶ月、第二期の終了とあわせた発表です。先ほどの推論がそれほどまでまちがっていないことをある程度裏付けできるかもしれません。とすれば、第二期のプロットができあがったのとほぼ同時に劇場版の結末(=アキバドームエンド)がしあがっていたと考えられます。もちろん細かな変更などはあるでしょう*14。また、第一期終了からしばらく時間の経っています。第一期をそのまま接続させた第二期ではなく、第一期を土台とした第二期と、そのための時間であったとも。さて、これらの動きとμ'sの人気を現すと考えられる指数を連動させてみます。
図2
f:id:aqbar:20160124024733p:plain
CDやBlu-rayの総売上も考えましたが、ある一定の期間における人気を反映している数量的データは、やはり公演の入場者数がもっともふさわしい指標になりえます。CDやBlu-rayは購入者によって数が容易に変動しますから、実人数を把握する*15のであれば、こちらが妥当です。横軸が時系列、縦軸が入場者数(単位は人)です。とはいえ総入場者数はわかりませんので、チケットが完売(=満員)であったと仮定します。グラフ線の丸が公演、横軸にある灰色の丸がアニメの動向に関する情報の発表をあらわしています。ここで目をひくのが2013年中頃から2014年1月にかけての大幅な伸びです。その伸びはおよそ10倍にもなります。それ以前のゆるやかな伸びとは異なる、かなり急激な変化です。この間はアニメ第二期の制作発表から放映開始発表とちょうど被ります。急速な伸びは関連商品の売り上げを含めてラブライブ!制作委員会内でその情報は共有しているでしょうから、おそらく、第二期および劇場版のプロットが確定し、6thの行程がおぼろげながら範疇に入ってきたのは、4thの申し込みが終了してからしばらくであると考えられます。となると、第二期および劇場版の落としどころに決着がついたのは2013年11月末あたりでしょうか。

しかし、これはあくまでも制作委員会の内部でのやりとりおよびアニメでの「東京ドームエンド」です。実際の東京ドームがいつ借りられたかはさらに論を進める必要があります。

6thの公演は3月31日と4月1日、と年度をまたぐかなり徳井な日程で公演が行われることになっています。またこの後、4月9日と10日に東京ドームで水樹奈々の公演が入っており、「水樹奈々が先約を入れていたため、μ'sが日程を抑えられなかった」という言説もいちぶでは見られました。しかし、今回の6thは5thで既に「NEXT WINTER」と予告されており*16、4月をWINTERとするのは、多くの人の見識に照らし合わせてもムリがあるのではないでしょうか。また、3月中の東京ドーム日程を見てみると、3月上旬、公演やオープン戦に関する日程は入っていません。*17
図3:東京ドーム2016年4月上旬日程
f:id:aqbar:20160122160554j:plain
図4:東京ドーム2016年3月上旬日程
f:id:aqbar:20160122160718j:plain

特に3月はがらあきです。通常であればジャニーズや韓流ユニットの公演、ないしイベントが入っているはずの時期です。東京ドームシティの公式サイトでは、過去に公演を行ったアーティストの一覧とその日程を1988年からすべて確認することが出来ます*18。これによれば、3月の上旬から中旬にかけて毎年のように公演が行われていることがおわかりいただけます。となると、オープン戦はともかく、2016年の1月において、2016年3月上旬の公演の発表がどこからも入ってきていないというのは不自然な状態です*19。また、前回の5thが、SSAでの4th第二日目終了時に具体的な日程と会場が公式発表されていた*20一方、5thにおける6thの発表は、日程や会場の告知はなく、「ビッグになって」「NEXT WINTER」など抽象的な時期の説明だけでした。ここで考えられるのは「5thの時点で具体的な日程はまだ決まっていなかった。」ということです。とすると、3月上旬に東京ドームにて他のユニットやグループによる公演の入っていない理由が、少し見えてくるかもしれません。

ここで、図4をもう一度ご覧いただきます。
f:id:aqbar:20160122160718j:plain
本来であれば数回の東京ドーム公演かオープン戦が入っているはずの予定が今年はがらあき。公演でなくともジャニーズが総出で運動会イベントを行うなど、年始の「ふるさと祭」や「キルト展」などの展覧会が終了した後に、プロ野球開幕までのすき間をぬって公演が行われるのが常です。また、東京ドームは野球を除き、1年前までに仮予約、本予約は日程の半年前に決まると言われています。そこで、「先に3月上旬の5日6日ないし12日13日の土日をラブライブ!制作委員会が仮予約していた」という考えを挿入してみます。3月上旬であれば「Next Winter」も充分に満たす日程になります。実際寒い。ですから、制作委員会側は2015年上半期に3月上旬を「仮予約」していたが、日本ハムファイターズの球場変更移動*21を見て*22、2015年11月上旬に3月31日と4月1日の日程で本予約をした、と論を進めるのはさほど不自然ではありません。ですから、抽象的な文言でしか6thの開催日程を表せなかったわけです。とすれば、5thで次回の具体的な日程が告知されなかったこと、3月上旬に現時点でほとんど公演の予定が入っていないのも得心がいきます。μ'sの公演がどちらかの土日にあり、直前の移動であったわけですから。そして公演4ヶ月前、12月に日程発表が行われたのも納得がいきます。交渉及び本予約がぎりぎりまで妥結していなかった、とも考えられるわけです。交渉が始まったのは5thの前後、2015年2月あたり、現実の東京ドームが日程として確定したのは2015年の11月中旬頃であると考えられる、と結論づけます。
この時期であれば、すでに5thの入場者数と物販の総売上も計上されていたでしょうから、東京ドーム側に具体的な収益とロイヤリティ額の提示ができるわけです。ただし、この論が妥当だとしても、当初からどちらを希望していたのかどうかはわかりません。論を導くためにはあまりに情報が少なく、そして曖昧です。ですが、仮にこの論が適切であるのならば、土曜日および日曜日、興業として安定した集客が見込める日程を放棄してまで、この特殊な日程を確保したのにはいかようにも理由が考えられます。つまり、この日程に意味がある。何度も言われているように3月31日は年度末、学齢であれば所属する学校の変わる日、つまり卒業の日です。そして、劇場版ではμ'sの解散、すなわち卒業が描かれた。そして4月1日は新学期、新しい年度の始まる日です。これはもう論を俟ちません。

<2016年2月21日挿入>
こちらのニュースリリースを見落としておりました。斜線部は取り消します。後日、論の再考を行います。

開業以来初!東京ドーム大規模リニューアル計画~唯一無二の快適なスタジアムを目指して~http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS01950/7102cf56/67e4/41ff/8cb5/219273fbb39f/20160119153619155s.pdf


はてさて、今回の結論は非常に限られた情報でのみ推察したものです。仮定と仮定の積み重ねですので、実際の制作現場でくだされた意思決定とはかけ離れた論を決した可能性は充分あります。またまだまだ論がごちゃごちゃしているところも残っています。ゆえにこの結論の妥当性については保障しかねます。しかしいろいろと想像するのは良い暇つぶしになりました。いつかこの「答え合わせ」をやってみたい。


余談ですが、東京ドームは区との協定があり、公演は21時30分までしか行えません。周囲の住民への配慮です。前回の5thは18時開始で22時30分終了の4時間30分。それから曲目も増えています。16時開演、これは協定時限の21時30分ぎりぎり、5時間ないし5時間30分行うということなのかなあ。

*1:「μ’s」解散正式発表 来春東京ドームでファイナル公演

*2:ラブライブ『μ’s』、来年春に解散か 東京ドームにてファイナルライブを公演 : アニはつ -アニメ発信場-

*3:「ラブライブ!6thライブ」東京ドーム公演決定!!!!! というデマが拡散される : はちま起稿

*4:株式会社東京ドームへ支払う物販のロイヤリティなども含んだすべての経費です。交通の極めて便利な東京のど真ん中ということもあり、場所代は相当高くつきます。

*5:これを明文化した新聞記事を以前に読んだことがあるのですが、探したところ見つからず。現在も捜索中です。ご存じの方がいらしたらお教え下さい。

*6:代表的なもの、ないし明確に数字を出せるものを記載

*7:人気女優を揃えた「海街diary」を抑え、初登場土日動員25万1811人 【最速】6/13~6/14の映画興行収入ランキングTOP25!初登場1位「ラブライブ!The School Idol Movie」2位「海街diary」ほか | ENJOY CINEMA

*8:37000人/日×2日/年=のべ計74000人/年の動員

*9:出場内定と報道は11月末ですが、出場打診自体はそれ以前と思われます。が、とはいえ、あくまでもこれは人気や知名度をあらわす目安としてお考えください。

*10:9に同じ。

*11:特殊例としては2015年のNEWSがあります。 NEWS10周年公演に6万5千人が熱狂 増田貴久、念願の東京ドーム公演に感涙 | テレビファン・ウェブ もし仮に、構造がNEWSのように中央で小型のステージを確保するものでしたら、無論、55000人より入場者数は増えます。

*12:もっともラブライバーよりも手強い生き物である「女子高生」や「オバサン」が殺到するジャニーズのコンサートに比べれば、そういう意味(どういう意味?)でのおとなしさはありそうですし、寒いとご本尊が縮こまっているわけですから、男のパワーはあまり出そうにもないですし。

*13:

*14:京極監督は「当初劇場版の楽曲は作中で3曲の予定だったが6曲に増えた」とのべています。

*15:もちろん応募倍率などを加味する必要はあります。

*16:

*17:2016年1月22日確認

*18:東京ドームシティ|イベント|東京ドーム公演アーティスト一覧

*19:もちろんジャニーズの嵐など、20万人を一度に動員出来るような超人気グループでは、2014年の「ワクワク学校」開催発表が1ヶ月前であった、などの事例はあるにはあります。

*20:

*21:ニュース | 2016/4/1(金)福岡ソフトバンクホークス戦 開催球場を静岡県草薙総合運動場野球場に変更 | 北海道日本ハムファイターズ

*22:日ハム移動が先行し、制作委員会がそれを後追いしたか、それとも因果が逆かどうかはわかりません。

「宇宙戦艦ヤマト2199」劇伴音楽判別に伴う分類

「宇宙戦艦ヤマト2199」劇伴音楽判別に伴い、個人で使っている用語です。実際の製作現場では新曲を指して「Nナンバー」としているようですが、音楽作曲の観点から「踏襲」や「独自」であるかに焦点をあて、分類いたしました。
「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」に関しては特殊な曲も多くあることから一覧から省いています。そちらに関しては別集計で表出しますのでよろしくお願い致します。

フォローナンバー
いままでの「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの劇伴音楽やシングル等で登場した音楽を総称したくくり。
踏襲することで、「宇宙戦艦ヤマト2199」と初代「宇宙戦艦ヤマト」の根本にある世界観は同じであると表現しています。
・踏襲曲
→初代「宇宙戦艦ヤマト」に登場した劇伴をそのまま用いている「2199」劇伴
「無限に広がる大宇宙」
「元祖ヤマトのテーマ」
「地球を飛び立つヤマト」
「探索機発進」
「ヤマトのボレロ」
「哀しみのヤマト」
「哀しみのスカーフ」
「サスペンスA」
「敵宇宙船の出撃」
「美しい大海を渡る」
「艦隊集結」
「デスラー登場」
「月のクレーター」
「空母の整列」
「哀しみ(沖田の死)」
など
・踏襲派生曲
→初代「宇宙戦艦ヤマト」に登場した劇伴から派生した「2199」劇伴
「無限に広がる大宇宙(Voice)」
「ハーモニカ(真赤なスカーフ)」
「真赤なスカーフBG」

・援用曲
→初代「宇宙戦艦ヤマト」以外のシリーズなどで登場した音楽による「2199」劇伴
 これらの音楽を援用することで、「宇宙戦艦ヤマト」サーガにそった世界観を演出することに成功しています。
「イスカンダルの女(サーシャ)」
「デスラー襲撃」
「白色彗星(Disco)」
「大いなる愛(導く魂)」
・援用派生曲
→初代「宇宙戦艦ヤマト」以外のシリーズなどで登場した劇伴から派生した「2199」劇伴
援用するだけではなく、21世紀の音楽場面に相応しい音楽にアップデートし、「宇宙戦艦ヤマト2199」の即時性を表現しています。
「コスモタイガー(Wan Dah Bah)」

オリジナルナンバー
「宇宙戦艦ヤマト2199」オリジナルの劇伴音楽と、その派生曲を総称したくくりです。製作現場では「Nナンバー」と言われていたそれになります。
・独自曲
「宇宙戦艦ヤマト2199」で独自に登場した劇伴音楽
「宇宙戦艦ヤマト2199」が単なる「宇宙戦艦ヤマト」のリメイクではないことを表現しています。上記カテゴリーにあてはまると思しき音楽であっても、「宇宙戦艦ヤマト2199」の世界観を強く反映したと思しき曲はこちらにピックアップしています。
「ヤマト前進」
「ファースト・コンタクト」
「ヤマト渦中へ」
「YRAラジオヤマトのテーマ」
「動揺(サスペンス)」
「銀河航路」
「独裁者の苦悩」
「大志」
「永遠に讃えよ我が光」
「魔女はささやく」
「ガミラス次元潜行艇」
「時計仕掛けの虜囚」
「ニュース映画のテーマ」
「第二バレラス」
「帝都防衛戦」
「崩れゆく総統府~希望」
「虚空の邂逅」
「孤高のデスラー」
「地球の緑の丘 旅立ち~帰還、そして明日への希望」
など
※スコア自体は踏襲しているが、テーマを強く反映した曲であるので独自曲に加えました。
・独自派生曲
独自曲から派生した劇伴音楽
「独裁者の苦悩(弦)」
「大志(若者よ大志を抱け)」
「ガミラス次元潜行艇(ティンパニ)」
「帝都防衛戦」
「眠れる想い」
「碧水晶」
など

このうち初代派生曲と踏襲派生曲に関しては実質「2199」独自の劇伴音楽だと考えられますが、分類上わけています。また、これはあくまで作曲上の分類です。使用された場面毎でわければ、踏襲曲・独自曲の括りはまた別の観点から分類可能だとも考えられます。
なおこれは未完成の表です。場合によっては新たな定義や定義位置の移動があるかもしれません。ご了承下さい。

和食デニーズ

和食デニーズというデニーズがかつて営業していたチェーンがありました。詳しい記憶はだいぶ薄れてしまいましたが、いわゆる定食メニューをちょっとおしゃれにした感じだった覚えがあります。ここはご飯はおかわり自由、確か味噌汁もそうであったような?住んでいるところが田舎ですので、そういった食べ放題が標準であるのはずいぶんと重宝しました。田舎は都会に比べて食べる量が多い。

いまも営業しているタイプのデニーズの隣に店舗を開いていたと思いますが、どうもこちらの方はあまりお客のいりは良くなかった。閉鎖になっても15年近く経つのでしょうか。あまりお客の入りもよくありませんでしたので、閉鎖になったときは「やっぱりなあ」とついつい思ってしまいました。結構残念だった。

普通のファミレスだと、ご飯が西洋式の皿で来るので食べにくい。とにかく食べにくい。高級レストランでもないのでガツガツ食べますが、あれは本当にどうにかなりませんか。食洗機で統一しているから、別に皿洗いの手間を増やせないからなのかもしれませんが。

それから10年ほどして定食系チェーンのやよい軒が東京に現れました。同じようにご飯味噌汁お茶おかわり自由。都心部なら需要があったのか。それとも早すぎたのか。当時、イケると思ったんだがなあ。

秋が来た。

暦の上では秋が来ました、と言われてもそれは旧暦ですから1ヶ月早いわけで、今頃が本当の暦の上では秋が来ているはずなのです。ところがそれであっても一歩外に出ればセミの大合唱で家の中は冷房の必要は無くなったとは言えゴキブリが闊歩している。昔はよかった。


この昔はよかった。あくまで全てが主観であって、ここで文を打ち切ってはいけません。あくまで「昔はよかった気がする」としなければなりません。もしかしたらセミは9月下旬まで啼いていたかも知れない。意識していないだけで。ゴキブリは…、これは冬でなければ、成虫になっていない状態なら年中見ることが出来ますよね。
日本では嫌われ者のゴキブリも、中国大陸やイタリア半島にいけば養殖のゴキブリがあるほど一般化した食材です。そもそも現代の昆虫食を毛嫌いする風潮が、ここ半世紀で出来たものです。食糧事情が急上昇する以前の日本では、東京や大阪などの都市部でもバッタやカブトくらいは庶民の食卓にあがることはよくあることでありました。そして21世紀のいまでは、昆虫食は国連が推奨する新しいタンパク質供給源として注目されています。飼料からのタンパク質合成性能がほ乳類に比べて圧倒的に優れているとかか。昔は合理的だった。


さて、大学院の合格が出そろってようやく進路が決まりました。理転受験でも突破してしまい、本当によかったという感想でいっぱいです。旧帝大の学部に通う弟からは「学歴ロンダリング野郎」とTwitterで陰口をたたかれておりますが、ともあれ結果は結果として受け止めていただいきたいものです。決して、お兄ちゃんが行きたかった大学に合格した弟に対するひがみではありません。ないったらないんです。あるわけないだろ。
ところが、卒業単位まで大幅というわけではありませんが、かなり不足している。いわゆるフル単でなければ卒業も怪しい。端的に言います。“ヤバい”
そういえば第一志望の受験でも、解答用紙の小問番号を書き間違える、という試験担当官曰く「前代未聞、初めての」事例をやらかしてしまったので、いや、こういう妄想は気持ちを苦しめるだけですのでやめておきます。やめさせてください。


1960年代に公開された映画「大学の若大将」をご覧になった方はどれほどおられるでしょうか。ご覧になったことのない方のために捕捉するとすれば、どう考えても知的教養もない、分数の計算すら出来そうにない若大将が、大学で女をはべらせ男と乱痴気騒ぎ、ラストに代々続く店をハワイ風のバーベキュー屋?に改築するというお話です。滅茶苦茶なお話です。驚くべきことにこれが当時売れに売れた。一方現実世界の大学に目をやると、1960年代から70年代にかけては、今はもう日本史として語られている学生運動の時代でもあった。ゲバ棒マスクヘルメットという学生運動スタイル(現代なら「コスプレ」として語られそうですね)に身を包み、理論的枠組みなどクソ喰らえでも、大学生が唯々怪気炎を上げ続けていた時代です。それが当たり前であり、そうでない人間はよほどの体育会系か「ノンポリ」学生であった。映画は良いとして、現実世界の学生運動に参加するよ大学生が講義に地道に出席して試験を受けていたとはとうてい考えられませんよね?
だとしたら落第に落第を重ね、この時代の大学卒の肩書きをもつ人間はほとんどいないはずでしょう。ところが、結果は文部科学省の各統計をご覧下さい。

言いたいことはひとつです。

昔はよかった。

未完成果

夏に出せれば、と思っていたアニメ劇伴のコピー誌が、結局6月になって内容に納得がいかず、全面書き直ししていたのですが、なんとか冬に出せそうな見込みが立ちました。
冬こそ出せたら良いですね。

題「宇宙戦艦ヤマトの音楽がつくる世界」
43頁で頒布価格は150円(予定)。

アニメ劇伴は卒業論文の主題に大きく関わるものでしたのでコツコツと集めてきた資料がありますから、それを使って、まずは地上波の初代宇宙戦艦ヤマトと劇場版宇宙戦艦ヤマトの劇伴について第1話から全使用箇所を網羅し、宇宙戦艦ヤマト2(さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち)で再録されたナンバー、交響組曲宇宙戦艦ヤマトの意義とおおまかな寸評についてやります。まだまだ加筆修正の要を認む内容ですし、はっきり言ってこんな中身で金を取れるとは思えませんので、もしかしたら冬も間に合わないかなあとも考えております。

さらば+2、新たなる旅立ち+永遠に、3、完結編、復活篇、2199までやりたい志もありますが、これを作れるまでに4年かかっておりますので、いつになることやら…。

印象

劇伴音楽はそれだけでカットを象徴する物語を持っています。
純音楽の側からは低く見られることもある劇伴音楽です。しかし、自分のような芸術とは程遠い世界にいる人間からすると、物語をわずかな時間で表現するその構成は、わかりやすく受け入れやすい。

往年のアニメ映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」には後にカットされたシーンがあります。ヤマトが放射能除去装置を携えて地球に帰還し、地下都市のなかで待ちわびた人々の歓喜とともに迎えられる…というカットです。ファンの間では、このシーンを含めて削除されたカットを見ることのできるフィルムを「ゼロ号フィルム」とも呼んでいるそうですが、今では東北新社に残るマスターフィルムか絶版になった英語吹き替え版でしか見る方法はないそうです。
これはその後テレビ放映された「宇宙戦艦ヤマト2」の第3話にそのまま流用されているのですが、受ける感慨が全く違う。「さらば」では台詞もなにもなく、ただ「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」に収録されている「回想」という曲が流れるのみ、いかにも過去の回想という感を強くしております。ところが、「2」では、「夕日に眠るヤマト」の勇ましい音楽とともに、「ヤマト!ヤマト!」というガヤが挿入されている。


先に「さらば」で述べたこのカットは、全く台詞がないことで、劇伴音楽の持つ物語が強く浮き彫りにされています。ここで使われている「回想」という曲は、地球生還を前にして永遠の眠りにつこうとしている沖田艦長が、ガミラスとの戦争で亡くなった家族の写真と目の前に広がる地球を見つめ、「地球、か…。何もかも、みな懐かしい…」という名台詞とともに、使命を果たし終える…、という初代「宇宙戦艦ヤマト」屈指の名場面を象徴しています。常に物語の根底で流れている悲壮感とどこか苦味がつきまとう喜び、という私たちを魅了してやまない宇宙戦艦ヤマトのエッセンスが全てつまった音楽と言っても過言ではありません。

そういう曲が生み出す魔術は、映像をより一層魅力的にしてくれます。年月を経てから初めてこのカットを五感で堪能したとき、恥ずかしいことに、小学生の頃ワクワクしながら見ていたあの思い出がよみがえり、懐かしさと、これがヤマトだ、という心の奥底で残っていたしこりが消え去って満足した気持ちに陥りました。物好きの勘違いかもしれませんが、初代「宇宙戦艦ヤマト」のヤマト地球生還のカットと「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」におけるヤマト地下都市生還のカットは、日本のアニメーション史上でも屈指の名場面であると思っております。

ところが、「2」ではそのマジックが消去されております。劇伴音楽や人々の歓声で喜びの感情を強調しすぎたおかげか、かえって「さらば」で持っていた味を殺してしまっている。ここでは、恐らく地下都市で待ちわびた人々の気持ちを代弁した劇伴選択になっているのでしょう。最後の希望である宇宙戦艦ヤマトがとうとう生還した!苦しみ抜いた時期は終わり、これで地球は救われた…。ヤマト!ヤマト!ヤマト!…

最初に見たのは「2」であったがために、視点を地下都市の人々からしか持ちえませんでした。のカットのことはさほどにも捉えていなかった記憶があります。しかし、「さらば」のカットではどうか。回想するのは、ガミラスと戦い、ガミラスに滅びを与えてしまった宇宙戦艦ヤマトの物語です。決して地球での艱難辛苦ではありません。その物語もまた語られてしかるべきでしょう。しかし、求めていた物語はむしろ後者のものでした。「2」で抱いた、重要なカットであるにも関わらずに気にもとめなかったことの源泉はそこにあるのかもしれません。求めていた物語と提示された物語の齟齬が生んだ、相互の行き違いと言えるでしょう。

いやはや、本当に映像における音楽や音響表現の世界は奥深いものです。ひとつとるだけでここまで抱く印象は異なってくる。60秒のカットでこうなのですから、20分のテレビ放映、そして2時間にわたる劇場版で行われる音楽や音響から提示される物語の構成がどんなに大変なことか…。考えるだけでも苦労がしのばれます。






以上のようにオタクはどうでも良い印象をつらつらと語りたがる。悪い習性です。こういうしょうもないことをつらつらと書き続けることよりも、もっと生産的なことにリソースを注がないといけませんね。

企画

昨今はゆるキャラがブームである。
かつて似たような状況がなかったかしら?と思いつつも思い当たる節がなかなかないだけに、どうやらそういうことは無かったのだろう。流行のちからは恐ろしい。テレビ番組を見ていたら有名なゆるキャラを、毎日一度は必ず目にすることになるだろう。ゆるキャラはいま飽和状態に陥っているように見える。食傷気味とも言えようか。

ところで、JRの飯田橋駅を利用すると鯨を模したような駅のオリジナルキャラクターに出会うことが多い。旅行企画パンフレットの紹介は必ず彼が行っているし、みどりの窓口や改札口においても、彼が敬礼しているお姿を拝見することができる。どうやら、駅の紹介によると「いいだべい」というらしい。JR飯田橋駅周辺の歴史にちなんでいるようで、ちかくの小学校に通う学童と勤務する美術教員の作成した、なんともかわいらしいお姿をしている。不思議なことに、もう一人?いるキャラクターの「いーちゃん」にはなかなかお目にかかれない。それほど、いいだべいは駅の顔として相応しい働きをしている。

ほどなくしてJR飯田橋駅を通りがかると、3月ということもあり、定期券販売の混雑に対する告知があった。拝読すると、「券売機械で定期券を購入すると、レシート持参で駅前にあるコーヒーチェーンで300円以下のドリンクが無料」というものであった。なかなか愉快な企画である。先入観もあろうが、半公営企業のJRが駅前近隣の異業種店舗とタイアップし、どちらかが身銭を切ってこのようなちょっとした購買意欲を刺激するイベントを行うとは、飯田橋駅も思いきったことをするものだと驚嘆してしまった。
確かに「よくあることだ」との意見もあるだろうが、このお堅い世界でその「一般」を実現するのはよほど苦労や乗り越えるべき壁があったのではないだろうか。自分もこの駅で更新しようと思ったが、残念ながらPASMO+私鉄路線のみの定期券であったために発行は出来なかった。ひょっとしてタイアップ先のコーヒーチェーンはJR資本であったのだろうか。
好評だったのだろう、このあとしばらくしてから、JR東京駅で似たようなタイアップ企画が行われていた。内容の記憶はさだかではないが、恐らくは前記JR飯田橋駅での企画が予想以上にJRの内部で大きな反響を起こしたらしい。そういえばきょうもJR水道橋駅で特急券の一定額以上事前購入でオリジナルグッズプレゼント、というポスターを見かけた気がする。


都心の駅とはいえ快速は停まらない小さな駅で、このように意欲的な企画が駅係員の中から発案され、それを実行にうつす管理職の姿は参考にするべきものが多い。活動的で風通しのよい組織からは妙案が次々に生まれてくるものだ。もしや、外には出てこない、目に見えぬまでも、内部では様々な改善策が生まれ、そして実行されているのかもしれない。だがしかし、このアイデアが他の多くの駅で実行されたとしたらどうだろうか。飯田橋駅は一般にはあまりメジャーな駅とは言えない。そのうちに埋没してしまい、意味を抹消される未来もあるやもしれぬ。東京駅や水道橋駅でみたポスターは飯田橋駅の姿勢に東京各地の駅で追随する動きをまさしく体現している。


組織の真価が発揮されるべき場合はまさしくその時であろう。例えば新宿駅や上野駅、品川駅、渋谷駅などで先の例にならった企画が実行にうつされたとき、飯田橋駅のスタッフは何を考え、どんな意を創作するだろうか。もしかしたら、先にあげた案以上に“愉快”で“斬新”なアイデアを造り上げるかもしれない。それだけの力はあるのではないか。

いま、JR飯田橋駅は東京でいちばん熱い駅である。